
現代の純文学系の作家で一番ヤバい天才、それが中村文則さんです。

へー読んだことないけれど、読むならどんなのがおすすめなの?
中村文則文学の初期作品から真骨頂・・
それが「性」と「死」と「生」と「悪」などテーマにした展開がドロドロっとした純文学作品が大好きマニアの私たちをひきつけてやまない(もちろん褒め言葉ですよ!)
カミュ、フョードル・ドストエフスキー、フランツ・カフカなど海外の古典文学から色濃く影響を受けた中村文則作品の数々。
今回はそんな中村文則さんの最高傑作といわれた作品から、これから読むならどんな順番がよいか、など。
中村文則さんという稀有な純文学からミステリー、ノワール文学まで超越した天才作家の魅力を思う存分お伝えしていきたい所存です。
ではさっそくいってみましょう。
【中村文則】最高傑作は?読む順番はどの作品がおすすめ本ランキング!!
そのどの作品もある種のヤバさと危険度マックス的な作品ばかり。
中村文則さんってまともな社会生活できているのか心配してしまうほど、その作品のどれもこれも天才すぎてすごい魅力的な小説作品ばかりです。
そんな魅力満載な作品のなかから「まずこれを読んでみようぜ」
という作品は、やはり著者のデビュー作品である「銃」がおすすめです。
収録作品の「火」もだいぶヤバさあふれる短編となっております。
ちなみに「銃」はさまざまな形で映画化もされております。
アマゾンプライムでぜひチェックしてみてください。

続きまして中村文則作品の最高傑作を紹介します。
いろんな解釈はあるにはせよ、中村文則さんの作品のなかで
これほどAmazon評価がぶったぎりされた作品はこれが一番なのではないでしょうか?
最も中村文則さんのなかでカオスで最高傑作作品
それが「教団X」という小説になります。
Amazonに至っては中古で1円で売られているので、いかに「教団X」が売れたのか、如実にかんじるところではありますが、中村文則作品をある程度読んでからがおすすめです。
いきなり「教団X」から入ると「なんだこれ?ただの官能変態小説じゃないか。
フランス書院読んでたほうがマシ、とかなりますので(ほんとに・・)
中村文則さんにとって「闇」と「光」をテーマとしたといったことがあとがきに書かれておりますが、やはりここでも「性」に関するテーマが大きい。
これは著者が影響を受けたという大江健三郎さんの作品が根底にあるのかもしれないです。
というのもカフカもカミュもそこまで性的ではないので・・
ということでここから中村文則さんのおすすめランキングを読んだ感想などまとめながら解説していきます。
掏摸 (河出文庫)中村文則|2013
まず『掏摸(スリ)』の冒頭で駅のなかであれこれ思案しながら行動している主人公の一人称の使い方が素晴らしい。
中村文学の真骨頂である心理描写ではなく、あくまでもその情景を描く作法というか。
そこにまず物語を一気に引き込まれるのである。
そして最後に訪れる主人公の最後、末路・・・
あなたならどう解釈したであろうか?
ぜひ読んでいただきたいおすすめの一冊である。
王国 (河出文庫)中村文則|2015
『掏摸(スリ)』の姉妹編として刊行された小説である。
こちらの『王国』は女性の一人称目線で物語が描かれており、月のイメージを常に想起しながら書いていったと作者はそうあとがきで語る。
2冊をどちらも読む必要はないと作者は言うけれど。
2冊続けて読めば、より2冊の登場人物や物語構造の深さなど想像できて楽しいはずである。
ぜひ2冊続けて手にとってほしい。そして読むなら『掏摸(スリ)』から読むのがおすすめ。
悪と仮面のルール (講談社文庫)中村文則|2013
ここから中村文則文学が、純文学というカテゴリーからミステリー小説の枠へ、
そしてノワール文学の原点となっても過言ではない作品だと思う。
映画化もされたようですが、僕は映画のほうがまだ観れてないのでなんともいえないですが、
キャストが素晴らしいので、おそらく映画も面白いのかな、とはあくまでも想像ですが・・
最後の命 (講談社文庫)中村文則|2010
日曜日の午後に、風呂で半身浴しながら文庫かかえてガチで天才すぎて面白く一気読みしちゃった作品。
だいたい女がひどい目にあう(男もだけれど)そんなある種の「冷静なバイオレンスさ」が中村文学に流れる音楽である。
作者は影響されたであろうサルトルやドストエフスキーの先行作品の影響を本作では明らかに受けている。・・なんて本の解説でいうが、中村文則さんはこういうのが嫌いで「自分の書籍には解説つけないでください」と担当編集者にお願いしたのは有名な話。
ちょっと話が逸れたけど『最後の命』あまり長すぎもせず短めでもなく中編小説としてとても秀悦な作品である。
去年の冬、きみと別れ (幻冬舎文庫) 中村文則|2016
芥川賞作家が純粋にミステリーに取り組んだ意欲作。
映画化されたことでも有名な原作小説。
とりあえず一回読んでから「というかあれってどんな意味だっけ?伏線だっけ?」
みたいにしてミステリー小説のように、もう一度最初から読みたくなる。
そんな小説である。
おすすめです。
何もかも憂鬱な夜に (集英社文庫)中村文則| 2012
非常に暗い小説。ウツっぽいときは読まないほうがいいかも、っていうぐらい暗い。
中村文則作品はあるときから希望というものではないにしても、暗さのなかの明るさがあるときからでてきているのであるが、初期作品はおうおうとして、・・・暗い(汗)
あなたが消えた夜に (毎日文庫) 中村文則|2018
このぐらいのときから「明るい小説」というか、童貞がオンナ覚えて少し明るくなったというか。
そんなテンションの警察小説である。
中村文則の手にかかると警察小説が、・・・おっとネタバレはしたくないのでぜひ手にとっていただいて後半の「え?そうくる?」みたいな展開を楽しんでいただきたい、そんな作品です。
私の消滅 (文春文庫)中村文則|2019
ノンフィクション作品と純文学作品をくっつけてしまったらいったいどうなるんだろうか?
というノリから発想から創作された作品だということである。
このあたりぐらいからだろうか?
少しずつノワール文学やミステリー色がでてきているようである。
世界の果て (文春文庫)中村文則|2013
中村文学は、割と短編が「ユーモアたっぷりだったりする」そんな作品が多い。
近作品も初期作品のようなドロドロっとしたノリではなく「夏休みのあんちゃん」みたいなノリな中短編集みたいな仕上がりになっているので、初めて中村小説を読むにはいいのだけれど、散々読んできて近作品を手にとると
「え?フミノリ?・・だ、だいじょうぶか」
と逆に心配したくなるような明るさがある『世界の果て』短編集なのである。
土の中の子供 (新潮文庫) 中村文則|2007
この作品で『芥川賞』を見事手中におさめたわけだが、決して一発でとったわけでもなくて苦労ぶりが他の中村文則氏のエッセイ集でも語られている。
ちなみに初期作品どおり「暗いテイスト」である。
遮光 (新潮文庫)中村文則|2010
作者自身、あとがきでも述べられているのだけれど・・
引用:暗い小説であるし、なかなか癖もあるので、あまりこういう小説を読んだことのない方は、驚かれたかもしれない。
と、このように語っている。
初期作品のドロっとした夏の匂いを感じるような作品である。
悪意の手記 (新潮文庫)中村文則 |2013
この小説のテーマがのちに『最後の命』につながり『悪と仮面のルール』につながった。
と、中村文則氏が語っている。
ということは、今作品はカミュが『異邦人』と原型となった『幸福な死』の中村文則バージョンとして読んでみると、なかなか考え深い作品であることは間違いない。
迷宮 (新潮文庫) 中村文則|2015
どうでもいいのだけれど小説というものは、いきなりセリフからはいるとだいたい失敗する例が多い。
けれど、中村文則作品には「君を選ばなければならない」といきなりセリフから始まる展開が他の小説でも近作品でもそうである。
うまい天才作家は、いきなり会話文からはじめても成立させてしまう。
【中村文則】最高傑作読む順番おすすめ本ランキング~まとめ
さて、いかがでしたでしょうか?
中村文則さんの最高傑作といわれる作品から、読む順番のおすすめ小説など紹介してきましたが。
ランキングとしてまとめるには、まだまだ中村文則氏のここでは紹介していなかった作品もありまる。
ということもふくめて、随時アップロードを今後もしていきますので、
ぜひ「お気に入り登録」していただければ幸いです。
最後までお読みいただいていつもありがとうございます。
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