
『ライ麦畑でつかまえて』がなぜ今なお人気なのでしょうか?

それを今回はおふさけなしで解説してくれるということかしら?
おそらく。
いずれにせよ『ライ麦畑でつかまえて』がなぜここまで多くの小説好きたちが好きになってしまうのか?
それについては村上春樹氏が『夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです』でも語られておりましたが、そのサリンジャーの文体にこそ、その秘密があるのです。
と、本作品でサリンジャーの文体の秘密をご自身の翻訳体験を解説しながら思う存分めずらしく語っておられます。
ちなみにサリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』を新翻訳したことでも有名な村上春樹さん関連の記事はこちらよりまとめております。
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ということで、
からはじまるアメリカ文学の金字塔(もしくはものスゴい一発屋である)サリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』がなぜ人気になったのかについて解説していきます。
ライ麦畑でつかまえての主人公は怖いと話題に?サイコパスなの?
インターネット内でなにやら「ライ麦畑でつかまえての主人公が怖い」とか「サイコパスなの?」といった意見がちらほらとございましたが、
小説ですから、そもそもどんな小説であれ読む解釈は自由である。
どんな本でも面白い、読む人によって受け止め方は違うだけなのである。
と語ったのは京極夏彦『姑獲鳥の夏』の主人公である中禅寺秋彦のセリフであるが、まさに小説をどう読むかは読者の自由なのである。
サイコパスと思おうが思わないが
怖いと思ったらホワー小説もまっさおかもしれぬ。
どちらにせよ、僕は正直『ライ麦畑でつかまえて』の主人公は若いけれど、現代社会での精神的に病んでいる状態だと思いました。
ライ麦畑でつかまえてのあらすじからその人気の理由を解説!!
ということで、さっそく『ライ麦畑』のあらすじになりますが、冒頭は誰かに主人公がどこかで語りかけるところから物語が始まります。
なのでいきなり読者は作者のとなりで話を聞いているかのような錯覚をおぼえます。
これって太宰治もよく使う手法なのですが、まさに読者の心をつかむのが上手いんですよね、人気になる作家さんってのは。
でないと『ライ麦畑でつかまえて』の一発屋だけではなくって『ナインストーリーズ』や『フラニーとゾーイ』など決して多くはない作品どれもそれもが人気になるはずがありません。
サリンジャーの物語構成と、語り口、ストーリーテリングのうまさもそうですが、その物語内におけるキャラクター造形がうまく描かれているし、そのキャラたちが僕らのハートをまさにキャッチャーインザライしているんだとおもいます。
ライ麦畑でつかまえては現代の癒しの文学である理由を解説!!
学校生活に嫌気がさしたホールデン少年は家出という脱出をこころみる。
そこでおこるちょっと面白い出来事など主人公目線でユーモアたっぷりに描かれる。
そして後半にどこにも行き場所がなくなったホールデン少年は実家にとりあえず帰りたくなる。
理由は妹とフィービーに会うために。
この『ライ麦畑でつかまえて』の感動というか癒しは、実家での妹フィービーと主人公ホールデンの会話も間とか妙にあるといっても過言ではないと思ふ。
どこにどうもっていったらいいかわからくなり口が荒くなる兄を泣きそうになりながらなだめようとする妹フィービー。
そしてホールデン少年から語られる衝撃の「ライ麦畑でつかまえて」の意味。
それを聞いて口あんぐり「・・パパに殺されるわよ」と言うフィービー。
物語は妹フィービーと再会して遊園地に行き、そこでメリーゴーランドに乗るフィービーをながめながら唐突に物語はカムバックされる。
ホールデンが「ここまでだ。僕が話そうと思うのはこれだけなんだ」という。
だれにむけてホールデンはどこで語っているのか?
多くの疑問や謎が残されながら物語はやけに癒されつつ唐突に終焉される。
そこに謎があるものだから、いろんな解釈がこの物語には生まれる。
そして話題になる。
あなたは『ライ麦畑でつかまえて』を読みおわり、ラストどんな感想をもったであろうか?
ぜひこちらの作品をチェックしていただきたい。
ということで今回は以上になります。
最後までお読みいただきありがとうございます。
ではまた。
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